クリストファー・プリースト『奇術師』

手の込んだ小説で、なかなか面白かった。序盤にこの物語のキーワードが「分身」であることが巧みに提示され、重層的に展開していく、さらっと読んだだけでは気づかないような伏線もいろいろありそう。瞬間移動のイリュージョンにニコラ・テスラの発明品が絡んで来るあたりは少々荒唐無稽な気もするが。