[CD] Juan Pablo Torres "Together Again"

ファン・パブロ・トーレスは、キューバ出身のトロンボーン奏者。現在はアメリカに亡命している。トロンボーン奏者としてももちろん優れているのだろうが、残念ながらわたしには金管の演奏の善し悪しを聞き分ける耳がないのである。この人に対するわたしのイメージは、在米キューバ人とキューバ本土のミュージシャンのセッションを企画する人。この人が仕切ったセッションには、たとえば、BUENA VISTA SOCIAL CLUBのニューヨーク公演時に録音した「Cuban Dreams: The New York Sessions」とか、BVSCのメンバーの息子だとか甥だとかを中心とした若いキューバ人とのセッション「Buena Vista: The Next Generation」なんてのがある。どちらもBVSCブームの便乗企画としては出色の出来栄えだった。

このアルバムは、チューチョ・バルデス(p)と、チューチョが取り仕切るキューバの前衛アフロキューバンジャズグループ"イラケレ"出身でアメリカに亡命したアルトゥーロ・サンドヴァル(tp)とを同じスタジオに呼びつけた、という意味で「Together Again」なのであろう。それだけでもなかなか気の利いた企画だけど、これに超人的速打ちコンガのジョバンニ・イダルゴとオラシオ・エル・ネグロ・エルナンデスのリズム隊が絡むとなれば、もう。 J.P.トーレスの顔の広さに感謝したい気持ちでいっぱいです。